無事終演いたしました。
最近のマイブームはYouTubeのチャンネル「This is opera」 。学生時代の師匠ピリウッチ先生はスカラ座などでも活躍されたバス歌手で、今では廃れつつある録音時代以前のベルカントの技術をとても大切に、じっくり時間をかけて教えてくださいました。私自身が学生時代にその技術を体得できたかというと答えは否です。
しかし今、色々なジャンルの歌にアプローチさせていただくなか、その時の教えの普遍性、合理性に気付かされています。
「声のチェンジは意図的に作るものではなく、自然と為るもの」「赤ちゃんの鳴き声のような声」「舌と口蓋の距離は2mm」…
Enrico Caruso、Benimiano Gigli、Mattia Battistini、Tita Ruffo、Cornel Mac’neil etc
彼らの輝かしい声の秘密はなんなんだろう…
この疑問に立ち返りながら、今抱えている作品たちと向かい合っています。
バッハの音楽はとても器楽的でありながら言語的。よい声楽技術に支えられながらテキストにアプローチした時にバッハが少しだけこちらを振り向いてくれたような感覚を経験しました。